日々膨大な仕事をこなす一流のクリエイターは、どのように仕事を進めているのでしょうか?

くまモン、相鉄、Oisixなど、多くのプロジェクトを手がけるクリエイティブディレクター・水野学氏。水野氏が大切にする仕事の基本は、意外にも「段取り」とのこと。仕事を効率的に進めるため、さらには質の高い仕事をするためにも「段取り」が欠かせないといいます。

これからの仕事の基本である、「段取り」の秘密を全公開したのが『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』(ダイヤモンド社)。この連載では本書から一部を抜粋・再編集し特別公開します。<構成:須崎千春(WORDS)、編集部>

日々膨大な仕事をこなす一流のクリエイターが仕事で大切にしていることは、意外にも「段取り」だという

ストレスなく仕事が進むコツは
「段取り」にあった

「仕事が遅い」
「マルチタスクで大変だ」
「締切に間に合わない」
「チームがまとまらない」

 もしあなたがこのようなお悩みをおもちなら、おすすめしたい仕事のやり方があります。
 それは「段取り」です。

 ぼくは「クリエイティブディレクター」という仕事をしています。
 かんたんに言えば「企業や商品のブランディングをデザインでサポートする仕事」でしょうか。これまで、中川政七商店、くまモンを生み出した「くまもとサプライズ」、イオンの「ホームコーディ」、相鉄グループや茅乃舎のブランディングなど、さまざまなプロジェクトをお手伝いさせていただきました。

 仕事はかなり多いほうだと思います。
 おかげさまで、多くのご依頼をいただきますし、今でも同時に何十件も仕事が並行して進んでいます。また、プロジェクトごとに、関わる人の職種や業種、立場もさまざまです。役所、飲食、アパレル、鉄道、雑貨、家具、いろんな世界の仕事をしています。

 これだけ多くの仕事を日々進め、ありとあらゆる関係者とコミュニケーションをとりますが、ぼく自身にストレスはありません。仕事はスムーズにどんどん進んでいきますし、チームも円滑に動いています。それはなぜでしょうか?決して、ぼくがワンマンで勝手気ままに動いているからではありません。そんなことをしたら、すぐに仕事は崩壊してしまいます。

 ストレスなく仕事が順調に進むのは、きちんと「段取り」をしているからです。

「段取り」という言葉は少し古くさく感じるかもしれません。

 それでも、仕事において、とても大切なことです。

 仕事の目的を定め、きちんと計画し、あらゆる突発的なことも先回りしながら、時間どおりに実現させる。段取りがなければ、いつもバタバタして、日々トラブルが起き、プロジェクトは糸の切れた凧のようにどこに飛んでいくかわかりません。

 段取りは仕事の「超基本」なのです。

 しかし、なぜか「段取りはこうするんだよ」と学校でも会社でも教えてくれません。ならば「段取りの教科書」をつくろう、と思ったのが、を書きはじめたきっかけになりました。