しかし、ダイエーによる乗っ取りを恐れた高島屋側が業務提携を撤回、中内氏が描いた高島屋取り込みは不発に終わるというエピソードもあった。
当時、スーパーやコンビニの経営者が持っていない、百貨店というブランド力は垂涎の的だったのだろう。事実、セブン&アイの鈴木名誉顧問がまだイトーヨーカ堂首脳だった時、そごう・西武を傘下に入れる以前に伊勢丹株の取得にも動いたことがある。
鈴木名誉顧問の知り合いの中小の不動産会社社長を通じて、不動産会社・秀和が保有していた伊勢丹株22.3%の取得に意欲を示したのだ。
結局、伊勢丹のメインバンクの三菱銀行(現三菱UFJ銀行)の堅い守りで取得はかなわなかった。
だが、伊勢丹といい、そごう・西武といい、セブン-イレブンと同業のコンビニの買収には全く興味を示さなかったあの鈴木名誉顧問が、百貨店の取得には信じられないほど前向きだったのである。
そごう・西武を傘下に入れて以降の動きから、百貨店の商品作りや商品政策の手法をスーパーのイトーヨーカ堂に取り入れていくのが狙いだったとみられる。
そごう・西武は
リストラを繰り返してきた
しかし、そんな鈴木氏も今ではセブン&アイへの影響力はない。現経営陣にとって、そごう・西武の立て直しは悩みの種であることは間違いないし、売却という選択肢が真剣に検討されているとしても、まったく不思議ではないのだ。
そごう・西武はこれまで店舗閉鎖や店舗譲渡を繰り返しているが、業績は依然低調なままだ。



