だが、そごう・西武については、鈴木氏が名誉顧問となった今、是が非でも保有し続けなければならない理由はない。
むしろ、そごう・西武を切り離した方が、セブン&アイの株式を大量保有し、「物言う株主」でもあるサード・ポイント(本社ニューヨーク)が要求してきたヨーカ堂の切り離しへの牽制にもなる。
しかし、店舗閉鎖を進める三越伊勢丹にしても、そごう・西武にしても、百貨店をどう再生するかという解答を出さずに、閉鎖して縮小均衡を進めているだけである。
「そんなことを言ったって、百貨店の軸とする鉄道駅周辺の商業はすでに、郊外型のショッピングセンターやネット通販に顧客を奪われているのだから、閉めるしかないでしょ」というご指摘もあるかもしれない。
確かに地方の鉄道駅近くにある百貨店は駐車場の台数が少なく、しかも駅周辺は日曜日ともなると渋滞が激しく、決して利便性がよくない。
しかし、地方の駅前百貨店は例えばアウトレットモールに変身するとか、高島屋やJ・フロントリテイリングが実施したように、自営面積を相対的に減らしたり、テナントを多用するなどして都市型ショッピングセンターに作り替えるなどの手法はとれないのだろうか。
あるいは、もっと別の生かし方があるかもしれないが、閉鎖ばかりでは地域にとっても打撃だし顧客も維持できない。
新潟三越の閉鎖が発表されて以降、地元の商店街は百貨店という核を失うことになり、一段と落ち込むのではないかと心配されている。
大手百貨店各社も、このまま地方の百貨店を放置し続ければ、そごう・西武のように、閉鎖の歴史を刻み、売却説が流れることになりかねない。



