三越伊勢丹ホールディングスは来年9月末で、首都圏の2店舗を閉鎖する方針を固めたことが、ダイヤモンド・オンライン編集部の取材で分かった。
三越伊勢丹は、本日、開催する取締役会で決議する。
今回、閉鎖を決めたのは、伊勢丹相模原店と伊勢丹府中店の2店。2017年度の売り上げは、それぞれ195億円と149億円と、いずれも中型店だった。
関係者によれば、いずれの店舗ももここ数年、売り上げが前年度比94~95パーセント程度で推移し採算が合わないため、杉江俊彦社長が進める構造改革の一環として閉鎖を決めたとしている。
ただ、相模原店は2018年度の売り上げが伸びる予想で、「復活させる方法は、業態転換を図るなどいろいろあったはず。にもかかわらず2店を閉めるのは、グループの連結決算をよく見せたいため」との声が関係者から上がっている。
三越伊勢丹は、杉江社長が就任して以降リストラを進めており、最近では伊勢丹松戸店を閉店したほか、クイーンズ伊勢丹の運営会社の株式を66%売却、アパレル子会社も清算している。ただ、その一方で明確な成長戦略が描けておらず、市場関係者は「次の一手を早く示すことが重要」と指摘する。
(ダイヤモンド・オンライン編集部 田島靖久)