「オールジャパン」「日本連合」案件の大半は
ろくな結果が得られていない

 今日はまだ本当の意味での自動運転を、シェアリングのパーソナルモビリティで体験している人がほぼ皆無で、自動車業界やIT業界の関係者も含め、肯定派も否定派も想像でモノを言っているという段階である。

 まさに暗中模索でまったく新しいことを考えなければいけないのだが、単純にプラットフォームビジネスで儲けられればいいというソフトバンクと、パーソナルモビリティーに愛着を持つトヨタが、同じ目線でサービス開発を続けられるという保証はない。

「日本連合」というキーワードでごくナチュラルにタッグを組んだことを強調する両社だが、実際は社としての気質も夢もかなり違う。「お互いに相手をうまく利用できるという同床異夢と見るのが妥当ではないか」(前出の大手通信企業幹部)

 もちろんそれは一概に悪いこととはいえない。

 そもそも一企業ですら、価値観も考えも異なる数万、数十万の人間の集まりなのである。異なる業界の企業同士ならなおさらで、水面下で丁々発止、火花を散らすやり取りをするような緊張関係でいるほうが、ビジネスの世界ではよほどうまくいく可能性が高いというものだ。

 このところ、「オールジャパン」「日本連合」といった言葉が飛んだ案件の大半はろくな結果が得られていない。トヨタ・ソフトバンクのペアがそのジンクスを吹き飛ばしてくれることを願うばかりだ。