“ジョージ男子”とお酒は切っても切れない関係

 “ジョージ男子”を語るうえで、無視できないのがお酒の存在である。筆者がフェスで遭遇した男も泥酔していた。“ジョージ男子”とお酒は、切っても切れない関係にある。

 体を壊して2年半近く断酒している筆者だからこそわかるのだが、大人になってお酒なしで女性を口説くのは難しい。筆者の知り合いにルノアールで口説き、ホテルに誘ったことがあるという強者がいるものの、そういうケースは少数であろう。だいたいの男がお酒の力を借りて、つまりお酒の酔いに乗じて女を口説く。悲しいことだが、これが現実だ。

 そういう筆者も、男女の場ではお酒の力を借りることが常態化していた。今の妻とはお酒をやめる3ヵ月前に交際を始めたからよかったものの、もし間に合わなかったら……と考えると、しらふで口説けていたどうか自信が持てない。本当に、情けない話である。

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 お酒は、便利な“言い訳”になる。お互い酔っ払っているから、という状況に乗じていつもより大胆な言動をとることができるからだ。これは男女とも同じで、たとえ本当はそこまで酔っていなくても、「お酒が入っているから」という言い訳を盾に、乗じることが許される状況が作られる。しかし、2人の“乗じる指数”に温度差があった場合、片方は見事に振られることになる。それでもしつこく迫るのはご法度である。

 理想を言えば、雰囲気や勢いに乗じることなく、相手に対して真摯に向き合うことがなによりも大切ということになる。しかし、である。これまで人類は、なにも乗じずに恋愛をしてきたのだろうか、という根本的な疑問もある。今回は男に限定して話を進めてきたが、女もなにかに乗じて恋愛することはあったはずだ。そもそも恋愛とは、冷静さを失った状態で発生しやすいものであることは、数々の文学作品が我々に提示している。

 情報がオープンになったことで、乗じることが難しくなった現在、どのような形で恋愛を進めていけばいいのかということも、我々に問われている課題の一つなのかもしれない。

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(フリーライター 宮崎智之)