米国の現代軍事史には設計に失敗した兵器が幾つも登場する。日本の船に命中したが爆発しなかった潜水艦魚雷しかり。ベトナムでの銃撃戦の最中には故障してばかりだった「M16」ライフルしかり。国防総省の立案者は以来、米国の武器が兵士の手に届く前に欠陥を見つけて対処するための捕捉プログラム策定に向け、膨大な時間と資金を投じてきた。懸命の努力にもかかわらず、米国の兵器システムにはなお甚大な弱点がある。政府説明責任局(GAO)が今月公表した監査の結果は、米国の兵器の相当部分がソフトウエアの欠陥によって使用不可能になりかねないことを示唆している。兵器に付きまとうサイバーセキュリティーの弱点には解決策があるが、国防総省のお役所的な怠慢がその実行を妨げている。手遅れになる前に障害を取り除き、米国の兵器を強化するために、動きを速めなくてはならない。