たとえ、定年前の年収が高くとも、若いころの収入は少なかったはず。退職前の状況だけで年金額を判断すると、大きな間違いをしてしまいます。実際、Zさんも最近になって「年金ネット」で確認してみると、毎月の年金受給額は25万円ほどでした。そこで慌てて家計相談に来たのですが、時すでに遅しです。

ローン返済を子どもに協力してもらい
65歳過ぎても働くくらいしか手はない

 こうなると、今できることは、倹約して生活費を縮小することに加え、教育ローンの返済について子どもたちにも手伝ってもらうこと、そして65歳を過ぎても働くことくらいしかありません。自宅を売却するのも1つの手ですが、Zさんの場合は売却損が出そうなので、この手は使えません。

 もちろん、Zさんの考えが甘かったことが最大の原因ではありますが、少々、かわいそうな面もあります。

 というのも、安定した収入がある職業や役職に就いていた人には、その信用力に目をつけた金融機関がローンや生命保険、金融商品などを言葉巧みに売りつけてくる傾向があるからです。

 そうした金融機関の“カモ”にならないよう、しっかりと情報収集のアンテナを張り、うまい話は疑ってかかるなどの癖をつけてほしいものだと思います。

「あの人は金持ちだから将来の心配はいらないだろうね」などとうらやましがられていたZさんでしたが、一皮むけばこの始末。若いうちなら失敗は取り戻せますが、定年が近づく年になるとそれも難しいものです。

 人生100年時代といわれる時代に入ったからこそ、気をつけておきたいことだと思います。

(家計再生コンサルタント 横山光昭)