米中覇権戦争Photo:PIXTA

 2018年のグローバル経済の景色が、世界同時好況に沸いた2017年から一変したことは、2月に続いて10月にも「世界同時株安」が到来した事実に象徴的に示されている。

 2回とも、引き金は米国長期金利の上昇とされているが、今回の株価急落には米中貿易戦争の長期化がもたらす世界経済の成長鈍化、企業業績のピーク感、景気後退局面の前倒しなどへの懸念が不安材料として加わっていることを十分に認識しておくべきだろう。

 米中対立が貿易戦争から通貨戦争、そして覇権戦争の様相になっており、「新冷戦」が、世界経済や国際通貨の「秩序」を大きく変える潜在力を持っている。

18年は「米中覇権戦争元年」
2回の同時株安は不安を象徴

 今回の株価急落の要因をくまなく探そうとすれば、原油価格の上昇機運や新興国市場不安など、さまざまな要因が挙げられようが、投資家が不安視する本命が、長期金利上昇と米中覇権争い本格化の二本立てであることは明白だ。