稟議書は、業務のために必要と思われる事柄(事業の計画、物品の購入、人員の補充、研修、特別な業務の手続きなど)について、決裁権のある上司や役員などの承認を得るための文書だ。決められた用紙がある場合が多い。

 これに対して提案書は、主に業務の効率化や製品・サービスの改善を提案する文書で、決められた用紙がある場合もあるが、どちらかというと、社員が自由につくれる文書といっていい。最近は、イントラネットで社長に何でも直訴できる、という会社も出てきたが、直属の上司を通して提案するのが常識的なやり方だろう。

稟議書・提案書を書く場合に心がけたいこと

・目的、理由、方法や価格、問題点と解決方法など、どのような項目が必要で、どのような順番で書くべきか、あらかじめ構成を考えて書こう。

・現状を冷静に論理的に分析した上で、希望する理由、提案する理由を書く。自分や自分のセクションの都合だけを考えたひとりよがりの内容になっていないか、会社や顧客の利益になる要望として誰もが納得する内容になっているか、いろいろな角度から検討しながら書こう。

・多くの案件を処理しなくてはならない上部の人々の身になって、軽い案件はそれなりの簡潔な書き方にとどめよう。十分な説明を必要とする案件も、ムダな修飾語はなるべく取り去り、ポイントがはっきり伝わるように内容を組み立てよう。特に、自分の論に酔って、傲慢な書き方になっていないか、冷静に読み返すことが必要だ。

・提案に対して反対意見が予想されるような場合は、提案書の中で「問題点」「課題」などとして正面から取り上げ、それに対する解決策も書き込んでおくとよい。