政府が「就職ルール」に関わるのは愚行
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中西経団連会長の英断

 筆者は、そもそも日本経済団体連合会(経団連)のような財界団体の存在意義に疑問を感じ、できれば廃止、少なくとも活動規模を縮小するべきではないかと考えている。財界団体は時代の役割を終えた。

 しかし、経団連の新会長である、日立製作所の中西宏明氏は良い見識をお持ちの方だ。彼は、個人的な意見としながらも「経団連が就活ルールを決めるのは違和感がある」として、廃止する意向を表明した。経団連が策定・公表してきた「採用選考に関する指針」がなくなるのだ。

 実効性が乏しく、かつ効果として有害であったルールを廃止するのがいいと見切ったことは、優れた判断だと思う。

 しかし、安倍晋三首相は「学生の本分である勉強よりも就職活動が早くなるのはおかしい。広報活動(説明会)は3月、選考活動は6月に開始というルールをしっかりと守っていただきたい」と発言。また、全国の大学や短大などで構成する就職問題懇談会も、「2021年春入社組については現行ルールを維持すべきだ」と述べた。しかも、今後、政府内で新たな就活ルールの検討のための会議が設けられそうだ。