就活ルールの廃止が学生にとって「意外に悪くない」理由
経団連の会長がいきなり発言した「就活ルール」の廃止が、世間に波紋を広げている。それは学生にとって良いことなのか、悪いことなのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

経団連会長「就活ルール廃止」の波紋
学生にとってはいいこと?悪いこと?

 経団連の中西宏明会長が9月3日、新卒の採用活動の解禁日を定める現行ルールを撤廃する意向を示した。まだ会長が意向を示した段階ではあるが、経済同友会の小林善光代表幹事も前向きに評価するなど賛同者は多く、実現する可能性はありそうだ。

 就活ルールを撤廃することは、大企業の側から見れば利点の方が多い。そもそも採用ニーズも採用競争力(学生側から見た人気)もさまざまとなる企業にとって、採用活動の解禁日が同じだと採用戦略が立てにくい。

 同時に多くの企業がフライング活動を行い、就活解禁日に一斉に内定を出すという現実もある。採用担当者、学生双方が後ろめたい気持ちをで疑心暗鬼になりながら活動を行うというのも、あまりよいことではない。解禁日を気にしなくていい外資系企業やベンチャー企業に先行されて、いい学生が採れないという問題もなくなったほうがいい。

 解禁日が自由に設定できれば、競争力のある有名企業は外資系やベンチャー同様、早い時期に採用活動を始めることができる。逆に、有力企業の内定がある程度早い段階で出そろった方が、より採用力の弱い企業も採用活動に本腰を入れやすい。

 では、学生にとって就活解禁日廃止はいいことなのか、それとも悪いことなのか。

 ルール廃止に反対する1つの有力な論拠に、「就活解禁日がなくなることで各企業の採用活動期間がまちまちとなるため、就活期間が長くなってしまう」という学生側の意見がある。実際、企業側から見た就活解禁日廃止のメリットが、採用開始の日を前倒しにしたり、逆に後に設定したりと自由になるという点にある限りは、それは仕方がない。

 これは私の個人的な意見だが、たとえ就職活動期間が長期化しようが、学生にとっては納得のいく就活ができるのであれば、その方がいい。むしろ現在の就活ルールの下での活動のほうが、学生にとって勘違いや失敗が起きやすい。