2018年に入って金融市場は不安定化している。
10月25日、東京株式市場では、前日の米国市場(ダウ工業株平均)の急落を受けて平均株価が急落、韓国などアジアの株価も下落した。「世界同時株安」は、今年2月、さらに10月に、IMFの金融安定報告が金融危機に警鐘を鳴らしたのを機に起きたのに続き、今年になって3回目だ。
また8月10日には、トランプ政権のトルコ制裁を契機に新興国の通貨暴落が起き、新興国の通貨不安はいまも続いている。
株や為替市場で繰り返される暴落は世界経済の変調を示す予兆のように見える。
米国が仕掛けた貿易戦争で「自動車25%関税」を課せられる可能性もある日本も今後、不安定化の例外ではあり得ないが、深刻なのは、日本銀行が、異次元緩和の果てに中央銀行としての機能を失いつつあることだ。
次のショックが起きても、「打つ手」がなく、日銀自体も打撃を受ける「リスク」が高まっている。