日本銀行の看板Photo:PIXTA

 7月30・31日に開催された金融政策決定会合で、日本銀行は金融政策の修正を決定した。

 主な修正点は、(1)フォワードガイダンスの導入、(2)長期金利の変動幅の拡大(±0.1%⇒±0.2%)、(3)マイナス金利の政策金利残高の圧縮(10兆円⇒5兆円)、(4)ETFの銘柄別買い入れ額の見直しだ。

 日銀は今回の政策修正の目的として、異次元緩和(長短金利操作付き量的・質的金融緩和、YCC)の持続性の強化を挙げたが、会合後の会見で、黒田総裁は政策修正の背景として国債取引の不成立に再三、言及した。

 だが政策修正の「真意」は別のところにあるのではないか。

黒田会見で強調された
市場機能低下への対応

 確かに今年に入り、日本相互証券(BB)での新発10年国債の取引不成立日が既に6日に達している(8月27日現在)。2017は2回、2014年から2016年は1回、2013年はゼロだったことを勘案すると、今年は突出して多い。