「ハンパない」仏さまの教え
2018年の流行語大賞に間違いなくノミネートされるであろう「大迫半端ないって」。
ロシア・ワールドカップの初戦、対コロンビア戦で、決勝ゴールを決めたフォワードの大迫勇也選手をたたえた言葉ですが、元々は10年前、全国高校サッカー選手権大会での活躍に対して発せられた息の長い言葉でもあります。
みなさんも連載をお読みになり、少し感じていただけたかもしれませんが、サッカーの大迫選手以上に、仏さまの教えは「ハンパない」のです。
今回は10月1日から始まった毎日連載の最後ということで、お釈迦さまがお弟子さんたちへの最後の説法で発せられた言葉、ある意味「遺言」をご紹介したいと思います。それは『
この世で自らを島とし、自らをたよりとして、他人をたよりとせず、法を島とし、法をよりどころとして、他のものをよりどころとせずにあれ。――もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠けることなく修行を完成なさい。
中村元訳『ブッダ最後の旅 大パリニッバーナ経』(岩波文庫)
つまり、「自らと法(仏の教え)を拠りどころにしながら、この無常の世界を怠けることなく生きていきなさい」――これがお釈迦様の最期のことばです。
この言葉に対する解釈はいまでもさまざまなのですが、仏教の教えに毎日触れながら、その意味を考え続けるということが大切なのではないかと思います。
1か月にわたって、掲示板を通した仏教の教えのほんの一部をお伝えさせていただきました。みなさまもぜひ、「自己」と「仏教」を拠りどころとして、生活を送っていただければと思います。
お寺の門をたたいて下さい
「苦しい時、悲しい時、楽しい時、お寺の門をたたいて下さい」
こちらは京都西陣の日蓮宗大本山にある標識に書かれた言葉です。法事や葬儀のときだけでなく、普段からお寺を訪ねてみてはいかがでしょうか。最近では、法話会を頻繁に行うなど、いろいろなイベントを催して広く地域に開かれたお寺も増えてきています。
門前の掲示板だけで満足せずに、お寺の中に入って、もっと深く仏の教えに触れてください。
今日で10月も終わりです。「輝け!お寺の掲示板大賞2018」の応募締め切りの日です。午前零時まで、みなさんのご応募をお待ちしております。
(解説/浄土真宗本願寺派僧侶 江田智昭)