では、海兵隊員のグアム等への移転についてはどうなっていたかというと、「約8000名の第3海兵機動展開部隊の要員と、その家族約9000名は、部隊の一体性を維持するような形で2014年までに沖縄からグアムに移転する」と明記され、具体的に移転する部隊(第3海兵機動展開部隊の指揮部隊、第3海兵師団司令部、第3海兵後方群(戦務支援群から改称)司令部、第1海兵航空団司令部及び第12海兵連隊司令部)も記載されている。

 なお、第3海兵機動展開部隊とは、米国側の略称ではIIIMEF、正式名称は3rd Marine Expeditionary Forceであり、在日海兵隊のウェッブサイトの表現を用いれば、第3海兵遠征軍である。なぜか外務省も防衛省もこの原意に即した表現を用いないのは、何か特別の理由があるのだろうか。

関係性をより明確にしたい
強調したい意図の表れ

 肝心のこれらの関係性については、「普天間飛行場代替施設への移転、普天間飛行場の返還及びグアムへの第3海兵機動展開部隊要員の移転に続いて、沖縄に残る施設・区域が統合され、嘉手納飛行場以南の相当規模の土地の返還が可能となる」とされている。

「再編案間の関係」についての項では、「全体的なパッケージの中で、沖縄に関連する再編案は、相互に結びついている」と明記、「特に、嘉手納以南の統合及び土地の返還は、第3海兵機動展開部隊要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転完了に懸かっている」「沖縄からグアムへの第3海兵機動展開部隊の移転は、(1)普天間飛行場代替施設の完成に向けた具体的な進展、(2)グアムにおける所要の施設及びインフラ整備のための日本の資金的貢献に懸かっている」とされている。

「相互に結びついている」とされ、「懸かっている」と繰り返し記載されていると、さも普天間基地の辺野古への移転が全ての条件のように見えてしまうかもしれない。

 確かに、普天間基地等の土地の返還は海兵隊員のグアム移転に「懸かって」おり、海兵隊員のグアム移転は普天間代替施設の「完成に向けた具体的進展」と移転先であるグアムにおける施設等の整備への日本政府の「資金的貢献」に「懸かっている」と、わざわざ関係性を分けて二段構えで記載しているのは、関係性をより明確にしたい、強調したい意図の表れであると考えることもできよう。

 ただし、問題は「懸かっている」の意味するところである。