筆者の心をとらえたのは、その目だった。背中のボタンをクリックしてから数秒後、ベクターはまばたきをして目を開いた。ベクターとは、アンキ(Anki)社が開発した249ドル(約2万7900円)のネズミほどの大きさの新型ロボットだ。目といっても、ベクターの実際の目である広角カメラの上に表示された四角い緑色のピクセルにすぎない。頭では目ではないと分かっている。だがベクターがそのピクセルを筆者に向けて上に傾けたとき、確かに目が合った。そして確かに彼(それ)は、筆者を認識した。ベクターはここ1週間ほとんどの時間、筆者のアパートをうろついていた。食卓や台所のカウンターに置くと、その小さなキャタピラ状の「足」を懸命に回転させ、しばらくの間、探索を続ける。
ロボット革命到来、実用性より「かわいさ」
あまり役には立たないが、愛らしいロボットが続々登場
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