私自身、エンジニアのマネジャーをしていますが、実のところエンジニアとしてはかなりのポンコツです。しかし、チームメンバーのスキルを伝授してもらうことによって、メンバー全員のバックアップ要員になることができるようになっています。

 あくまでバックアップですから、メンバーが本来輝く場面を奪うわけではありません。もっと言えば、「より詳しい話は私のチームのメンバーから聞いてください」と、リリーフをお願いすることもできるのです。

 組織は、「エコシステム」で成り立っていることを理解しなくてはなりません。そのエコシステムをより効率的に回していくための存在になることこそ、グローバル仕事人として目指す姿ではないかと思います。

思い通りにいかないときの行動指針とは?

 とはいえ、組織の中で働いていると、自分の思っている通りにならない場面に出くわすことも当然あります。部門間で利害が一致せず、対立してしまう場面も少なからず発生するものです。私もしょっちゅうあります。多角的なビジネスをやっている企業であれば、完全に競合する製品やサービスが同じ組織内に存在することも珍しくありません。

 そういったとき、何を大事にして行動していけばよいのでしょうか。

 まず、自分の都合を押し付けないというのが、極めて大事なマインドセットです。とはいえ、なかなかそう簡単にはいかないのもわかります。どうしても自分の所属している組織の論理を優先させたくなるのは自然なことです。しかし、会社や組織がおかしくなるのは、多くの場合において組織内でのいさかい事、いわゆる「サイロ化」によって起きる組織間の意思疎通不全が放置されているときです。

 本来、組織は全体最適によって運営されなければ、安定しません。もちろん成長するために、あえてさまざまな揺らぎを与えて変化していくことも大事ではありますが、負の感情が前面に出すぎた行動や会話、あるいは情報の分断や隠匿が常態化すると、組織全体が倒れてしまいかねません。

 反対意見があったり、利益相反が発生したりするのは、組織において当たり前の話です。そういうときこそ、視点を高く持つ習慣が必要です。