「監督や選手には、挨拶をして終わらせたいと。最善はそうすることだと思ってきました。今日は『皆さんは何を信じているか』と問いたい。私たちは最善を尽くしています。それがノーという方もいるでしょう。社長は辞めろという方もいるでしょうけど、今は残留することが一番です。同時に来年のことも考えていかなければいけない。それが10年後、20年後のサガン鳥栖につながる。私はもうすぐ60歳になります。20年後は80歳です。もう生きていないでしょう。その時にサガン鳥栖がどうあるべきかを考えると、今日の決断と20年後から見た決断が少し異なる時があると申し上げたい」

 質疑応答までに声を振り絞った15分あまりの間に、竹原社長は「最善」という単語を5度も口にしている。この二文字こそが過去から今現在、そして未来へとつながるサガンのキーワードであり、今回のサポーターミーティングを介して伝えたかった思いでもあった。ゆえに指揮官の交代についても「最善」を強調しながらこう説明した。

「もめていたのかと聞かれれば、そうじゃない。未来について毎日毎日考えて、毎日毎日議論をして、さまざまな人の意見を交えて出した結論だとお伝えしたい。だから時間がかかった。サガン鳥栖のこれからもそうあるべきだ。常に最善を尽くしていることが伝わらなければ、もっと最善で最高の結果を求めるように、私たちの努力を怠ってはいけないと思っています」

スポンサー撤退の可能性も怒号なし、
割れんばかりの拍手でミーティング終了

竹原社長
Cygamesのスポンサー撤退についても真摯に答えた竹原社長 Photo by N.F.

 実はピッチの外でも、好ましくない情報が飛び交っていた。2015年7月からオフィシャルスポンサーを務め、ユニフォームの背中にロゴを掲出してきたスマートフォンゲームの大手、株式会社Cygames(サイゲームス)が今シーズン限りで撤退する、と一部スポーツ紙が9月下旬に報じた。

 年間のスポンサー料は推定5億円。事実ならば来シーズンの財政が逼迫するかもしれないし、高額年俸のトーレスの去就にも飛び火してくる。質疑応答に入ってすぐに、前方に座っていた女性サポーターが切り出した。「サイゲームスさんは撤退するのでしょうか」と。

 質問が来ると思っていました、という反応で会場の笑いを誘った竹原社長は、例え報道が事実であったとしても変わらないスタンスを取り続け、前へ進んでいくと力を込めた。