サイバーエージェントとゼルビアによる記者会見
記者会見に臨んだサイバーエージェントの藤田晋代表取締役社長(左)、株式会社ゼルビアの下川浩之代表取締役会長(中)、株式会社ゼルビアの大友健寿取締役社長 Photo by Naoto Fujie

インターネット広告事業やメディア事業を展開するIT大手、株式会社サイバーエージェント(本社・東京都渋谷区)が10年ぶりにサッカー界へ参入した。J2のFC町田ゼルビアの筆頭株主となって経営権を取得した藤田晋代表取締役社長(45)は「東京・町田から世界へと通じる、ビッグクラブへの成長をサポートしていきたい」と長期的視野に立った青写真を描く。今シーズンのJ2で優勝してもハード面の不備でJ1へ昇格できないゼルビアとの接点を探っていくと、生き馬の目を抜くIT業界を勝ち抜いてきた億万長者をして「驚くほど質実剛健に見えた」と言わしめた、クラブの黎明期から決してぶれず、日本サッカー界の中で異彩を放ち続けたゼルビアのアイデンティティーに行き着く。(ノンフィクションライター 藤江直人)

錚々たるチームに囲まれた
町田で平成元年に産声を上げる

 東側に隣接する神奈川県川崎市麻生区にある川崎フロンターレの練習グラウンドには、2016年2月に瀟洒なクラブハウスが完成。環境がさらに整った中で、決着が最終節にもつれ込んだ昨シーズンのJ1を奇跡の大逆転劇で制し、悲願の初タイトルを掲げながら歓喜の涙を流した。