話を臨時検査に戻そう。海老名市は10月31日に公金業務に関する報告を受けており、今回の臨時検査ではその報告内容を踏まえ、偽りなく公金業務が履行されているかどうかについて、伝票などを精査することになる。

 今回の検査はあくまで業務の適正さを確認するのみだが、今後の成り行きによっては、「指定金融機関の変更を検討することは当然あり得る」(海老名市職員)と、厳しい姿勢を崩さない。

 片や、神奈川県も状況は同じだ。スルガ銀は行政処分に対する改善計画を11月末までに提出するが、同県は、これらの内容を総合的に見て状況を判断する。業務に支障をきたすとなれば、指定代理金融機関から外すことも視野に入っていることだろう。

 さらに、神奈川県庁にはスルガ銀の出張所が設置されているが、これは「指定代理金融機関だから出張所を置いている」(県関係者)ため、指定から外されるような事態になれば、「県庁に出張所を置いておけなくなる可能性が高い」(県内地銀幹部)という。そうなれば、スルガ銀のさらなるイメージ低下は避けられそうにない。

 前述の通り、スルガ銀は11月末までに業務改善計画を提出するが、その前の14日には中間決算の発表を控えており、不動産向け融資の自己査定結果を発表する。

 日本銀行が、同行の住宅ローン債権を元にした信託受益権を担保にして、2000億円超の資金供給を行う体制を整えるとの報道がなされているが、裏を返せば、それだけスルガ銀の体力低下が著しいともいえる。同行の行方を金融関係者のみならず、隣県の自治体関係者も固唾をのんで見守っている。

(週刊ダイヤモンド編集部 田上貴大)