副業・転職・独立・起業の最適な使い分け方とはPhoto:PIXTA

「転身」の道が増えた

 1つの会社に人生を任せることができると考える人が減っている。

 会社やビジネスの不安定性を考えると、「昔から分かっていてもよさそうなものでしょう」と言いたくなるのだが、これに加えて、「人生100年時代」といわれるような人の長寿化(これ自体は大変結構なことだ)に自分がどう対応するかが現実的な問題になってきた。

 転職をしたい、独立・起業をしたい、そこまでやらずとも副業くらいはしておきたいと考える人が明らかに増えている。

 現在、まずまず恵まれた会社の「正社員」の立場で働いていても、55歳で「役職定年」、60歳で一応「定年」、65歳まで「継続雇用」のオプションもあり、といった扱いが概ね標準的だ。それぞれの節目で経済的な条件(端的にいって年収)が悪化することが多い。もちろん年収の減少もこたえるが、それぞれのタイミングで「あなたはもう第一線の人ではない」という扱いが精神的に不愉快だ。

 もちろん、20代、30代、40代でも、仕事が不本意だったり、職場が不快だったりして、転身を図りたいと思う人が多数いて不思議はない。

 現職場からの「転身」を指向する場合、とりあえず目指す方向として、「副業」「転職」「独立」「起業」の4つがあり得る。近年では、最後の「起業」のほかに、「既存の会社を個人で買って経営する」という方法もあって選択肢が増えているが、さてどれを目指したらいいのだろうか。

 本稿では、大まかな場合分けを試みたい。