人はなぜ、外で食事をするのか。おいしいから、便利だから、お得だから、もてなしてほしいから──。
求めるものは人によって、店によって、あるいは日によって異なるが、それをかなえるために選ばれた飲食店は、実際に客を満足させられたかが勝負となる。
昨年10月、本誌は外食160チェーンを対象に消費者アンケートを実施し、満足率を格付けした。その総合満足率ランキング(下表参照)では、新進気鋭のブランドや、独自のビジネスモデル、突出した強みを持つブランドが高い評価を得た。
ワーストランキングで名を連ねたのは総合居酒屋だった。かつての外食チェーンの代表格が、飽きられたり新規層も取り込めなかったりで、支持を失ってしまった。
外食チェーンは栄枯盛衰が激しい産業ゆえ、今は好調なところでも、いずれ飽きられて落ち目になり得る。業界全体においても非常に厳しい環境にある。人口減少社会に突入してパイが縮小する上に、そこにコンビニエンスストアやスーパーなどの中食プレーヤーまでが食い付いてきているのだ。
とはいえ、環境変化はマイナスなことばかりではない。人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)など第4次産業革命の技術が産業や社会に取り入れられてきた。これは外食産業においても武器になり得る。