「好きなこと」と「お金を稼ぐこと」のバランス
――「好きなことでお金を稼ぐ」って大変ですか? それとも「わりといけるな」という感じでしょうか?
藤原さん 私は「新しいお金の稼ぎ方」を発明したわけではなくて、既存の稼ぎ方をしているだけなんです。文章を書いて原稿料をもらったりとか、広告、プロモーションをやったりとか、テレビに出てギャラをもらったり、本を出して印税をもらうとか。
いままでみんながいろいろ試行錯誤してきたおかげで、稼ぎ方って無限にあって。それと自分の好きなことを組み合わせたら、わりと簡単……ではないですけど、うまく道は見えてくるなっていうのは思いました。
「記名仕事」と「無記名仕事」を分ける
――たとえば定期の仕事で「月何十万」ももらい続けると「ちょっとこれ、あんまりおもしろくないな」って思っても、仕事として切れなくなっちゃうことありませんか? 結局、給料をもらっていることと一緒、みたいな。
藤原さん あぁ、わかります。でも、そういう仕事も、ベーシックインカムみたいなものとしてやっていかなきゃならないと思っています。
――そこは「記名仕事」と「無記名仕事」で分けている?
藤原さん そうですね。無記名仕事では、ウェブメディアの立ち上げに参加したり、前まではネットニュースを書いたりしていました。記名仕事で「無駄づくり」とかけ離れたことをしてしまうと、見てくれている人も混乱してしまいますし。でも、「無駄づくり」を続けるためには、そういった人に見せない仕事もやってお金をうまく工面していかなくてはと思ってます。
――無記名で書いた仕事を自分のツイッターで拡散したりは?
藤原さん それはやらないです。けっこう昔ですけど、まじめなインタビュー記事を書いたときに、自分のツイッターで拡散しようと思ったんです。でも、結局そういうのって自分がツイートしても、広がらないんですよね。
私のことをフォローしてくれている人たちは、まじめなインタビュー記事を読みたくてフォローしているわけではないというか……。なので、そういうことはしないようにしています。
口座には2万円しかない
――将来への不安はどうですか?
藤原さん めちゃめちゃありますよ。いま私、口座に2万円しかなくて。
――搾取されてるわけじゃないですよね?
藤原さん されてないです(笑)。
6月に台湾で個展をやって。個展って盛り上がるんですけど、お金の面ではむしろマイナスみたいなところがあるんです。その期間は仕事ができないんで。それのしっぺ返しがいま来ていて。めちゃめちゃお金ない。お金ないとやっぱ将来が不安になりますよね。
――老後とか考えたりするんですか?
藤原さん しますします。フリーランスって貯金が何千万あったほうがいい、とか言われますよね。だから、「確定拠出年金をやりなさい。そうすれば、60歳になったら1000万ぐらいに増えてるから」って言われたこともあります。いやでも、そんな確定拠出年金を払える余裕もなかったりとかするんで。詰んでますよね(笑)。
――世知辛い話に……。