増え続ける物流コスト

 ヤマトが値上げと総量規制を行ったことにより溢れた荷物を積極的に受けているのが日本郵便だ。しかし同社の配送能力も「早晩、限界を迎えるのは必至」(関係者)。アマゾンの荷物を運び続けるには結局、値上げをして現場体制を増強するほかない。

 業界関係者によると日本郵便は今年3月の料金改定に続き、来春もう一段の値上げを検討しており、例えば雑誌サイズのゆうメールは現行の80円台から1.5倍の120円台に引き上げようとアマゾンに水面下で交渉しているもよう。となると大手事業者を使う物流のコストは今後も増える傾向にあるのは間違いない。

 アマゾンはデリバリープロバイダという自社配送網の強化もしている。実態は地域密着型の中小事業者に委託しているのだが、このデリバリープロの割合を増やすことで物流コスト全体をコントロールしようとしているのだ。

 ところがデリバリープロに対しては別の問題を抱える。「日時指定通りに届かない」「配達員の態度が悪かった」などの面で利用客からの苦情が後を絶たない。そうした問題を受けてアマゾンは、デリバリープロの担当地域と業者の入れ替えに追われているほどだ。

 雑誌に限らず、これまで複数の商品や出品者に対して世界各地でルールを突如変更してきた歴史があるアマゾン。それは絶対的なプラットホーマーだからこそなせる業である。しかし日本の特異な物流網においては、今後も試行錯誤が続きそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳)