原油価格の急落で勝ち組になったのは、主要なエネルギー輸入国である新興国だ。国際石油取引の指標油種であるブレント原油先物は10月上旬につけた4年ぶり高値から20%余り下落し、弱気相場入りした。今月20日には下げ幅を一段と広げ、前日比6.4%安と2017年10月以来の安値で引けた。米国株も売られ、主要株価指数は年初来の騰落率がマイナスに転じたほか、米指標油種のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は6.6%安に沈んだ。多くの投資家が損失を被っている一方、このところの原油安はインドやトルコ、インドネシアなど、世界でも成長の著しい一部のエネルギー輸入国にとってはありがたい救いとなる。これらの国は年初からほぼ一貫して、ドル高とエネルギーコスト上昇の挟み撃ちに苦しんできた。