移住者九州ナンバーワン
鹿児島県霧島市の人気ぶり
都会に住む人の中に「田舎に移住をしたい」と考えている人が増えている。総務省が2018年3月に発表した「『田園回帰』に関する研究報告書」によると、東京都特別区および全国の政令市に住む20~64歳の30.6%が農山漁村地域への移住に何らかの関心を持っている。
移住というと、リタイア後に都会の喧騒を逃れて地方でのんびり過ごすというイメージが筆者にはあったのだが、この調査によると、20代、30代の若い層の方が、年配者層よりも農山漁村地域への移住に高い関心を抱いている。
実際、地方移住支援のNPO法人ふるさと回帰支援センター(東京都千代田区)の利用者は急増しており、中でも20代~30代の増加が目立つという。
こうした若い世代の移住希望者に対応すべく、現地で暮らす男性と地方暮らしに関心の高い女性の出会いをサポートする婚活移住ツアーを行う企業や、移住したい人と地域をつなぐマッチングサービスを提供する企業も出てきている。
そんな中、「移住者数九州1位」「住みたい温泉地全国1位」のダブルタイトルを獲得した町を発見した。鹿児島県霧島市だ。年間の移住者数は、3年連続(2015年~2017年)で増加している。2017年度は169人もが移住してきたという。
2007年から年に2回、市が開催している2泊3日の「移住体験ツアー」には、2017年までに68組112人が参加し、そのうちなんと 12組23人(!)が実際に移住してしまったのだ。実に5人に1人の割合である。
この人気ぶりにはワケがあるはずに違いない。早速実際に移住をした方、そして霧島市の行政の方に話を聞いてみよう。