メイ英首相
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 英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡り、市場にとっては12月11日が新たな正念場となる。

 英議会はこの日、テリーザ・メイ英首相が欧州連合(EU)との間で合意した離脱暫定案について採決を行う。承認されれば、英国は秩序だった離脱に向けて進み出す。

 だが、否決されればどうなるか。2度目の議会採決から無秩序な離脱、国民投票の再実施まで、さまざまな選択肢が考えられる。解散総選挙の実施もあり得るだろう。

 市場は2016年6月に実施された国民投票の結果を完全に読み間違えた。ポンドは投票後の数日で13%急落。予想外の結果に海外市場にも影響が波及し、米国債やドルに逃避買いが膨らんだ。

 投資家は今回、少なくとも1回目の議会採決では否決されると予想している。どの程度秩序だった離脱となるかを測る目安となっているポンド相場はここ数週間、EU側との暫定合意が近いとの度重なる発表を受けても、ほとんど値上がりしていない。

 ブラックロックのポートフォリオマネジャー、ルパート・ハリソン氏は「議会で承認される確率は50%未満」と見る。

 与党・保守党内では、仮に11日の議会採決で否決された場合、金融市場が大きく混乱し、2度目の議会採決で支持に回るよう政治家に圧力がかかるとの見方も出ている。一度目の採決で否決された場合には、21日以内に2度目の採決が実施される可能性がある。こうしたシナリオは、米議会が金融危機が深刻化していた2008年10月に、不良資産救済プログラム(TARP)を否決して株式相場の急落を招き、その後承認を余儀なくされた経緯に重なる。