「いつも、考えすぎて損してばかり!!」
日本人は礼儀正しくて、とても優秀……なのに、日々必要以上に思い悩んでいないだろうか?
「“究極の合理思考”を身につければ、もっと楽しくラクになる」――。数十億規模の案件に関わり、インド人部下オペレーションを経験したインド麦茶氏は、「常に自分中心」「短期志向」「無計画で今を生きている」ように見える彼らに「日本人が幸せを謳歌するための“ヒント”」を見出したという。
新刊『インド人は悩まない』では、人口14億・上位1%が富の40%以上を所有する超競争・過密・格差社会を生き抜く人々の「規格外の行動力」と「抜け目なさ」の秘密を紹介している。今回はその魅力の中から一部をお届けする。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)
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「有事の備え」日本と他国の違い
台湾有事やトランプ大統領のグリーンランド収用問題などの物騒なニュースを見ていると、企業の経営に携わる身として、「もしもの時の備え」、いわゆる「Business Continuity Plan(BCP)」について考えさせられる。
BCPとは、災害や有事が起こったときに、どのように事業を継続するかを纏めた計画のことで、避難訓練が“命”を守ることを主眼に置いているのに対して、BCPは“事業”を守る・継続するということに主眼がある点が、通常の避難訓練などと異なる。
インドをはじめとする途上国の駐在員は、普段は営業や開発などの仕事をしていたとしても、「何でも屋」的な活躍を現地で求められることが多い。有事の際には日本と現地の結節点として、BCPの担い手を任されることもある。
その立場として率直に思うのは、災害や有事が起きた際に、インド民社員が、BCPで定めた行動計画に従ってくれるのか、正直かなり疑問だということだ。
インド人は仕事より家庭優先
「ひたすら自分のために人生を生きる」ことを徹底しているインド民は、何よりも家族の用事を最優先するし、非常時ともなれば、家族や親戚の安否確認や自分の財産の保全に走る姿が目に浮かぶ。それらが十分に確認できたらやっと会社のことに目が向く姿が容易に想像できる。
会社と自分(及び家族)を天秤にかけた時に、絶対的に後者を優先する姿がそこにはある。
日本の会社員にBCPを作らせると、なぜか、有事においても従業員が従順に会社のことを考え、自分の持ち場から逃げ出さないことが当然の前提になっている。
日本側が作ったマニュアルの骨子などを読んでいくと、例え自宅にいたとしても発災直後から会社のオペレーションを止めないように努力する対応が列挙されている。もちろん、自分の生命や安全を犠牲にしてまで職務を全うせよという計画ではないが、会社と個人とを天秤にかけた時に、自分より大きな存在である会社のことをしっかり考えてくれる人物像を、企業側は“勝手に”前提にしている。
おそらくインド民は絶対にそんな考えには至らない。何の迷いもなく家族や親戚の保護に全力を注ぐだろう。
自分勝手ではなく「損得勘定」
インド民の考え方は自分勝手に見えるかもしれない。しかし、突き詰めれば、会社は「誰かの金儲けの装置」、転職してしまえば全く関係がなくなる「営利存在」にすぎない。それに対してそこまで自己犠牲を強いる必要がないことに、はっと、気づかされる。それよりも家族や親戚のほうが何倍も重要だ。インド民は、損得勘定がはっきりしている。
『インド人は悩まない』は、人様のことを考えすぎて、不必要な自己犠牲や我慢を強いられる日本人に対して、全く異なる驚きの視点をお届けする本である。同調圧力が強い日本では見えなかったものが、インド民という鏡を通して見えてくる。彼らの合理的な思考法で物事を見ることで、本当に自分にとって何が重要なのかを冷静に理解でき、目が覚める体験をすることができる。
(本記事は『インド人は悩まない』に関する特別な書き下ろし原稿です)









