わずか1日で、日本の大手ECサイト1年分を売り上げ──。今年の中国最大の小売りイベント「11月11日(ダブルイレブン)」で、主要ECサイトの取引総額は過去最高の5.3兆円に達した。その盛り上がりは日本でも多く報道されたが、全体像はどうなっていたのだろうか。世界最大の小売業のイベントを、中国向けのマーケティングなどを手掛ける『トレンドExpress』のWeb媒体編集長、森下智史氏がデータとともに振り返る。
「独身の日」10周年で
中国国内はものすごい熱気
今年の「11月11日(ダブルイレブン)」は、日本でも“ダブルイレブン報道元年”ともいえるような盛り上がりだった。大手新聞からワイドショーまで、さまざまなメディアが取り上げていた。
ただ、その内容は「1日で3.5兆円!」といった金額面や、「海外の商品では日本の商品が人気」といったものが中心。現地の消費者の嗜好や全体像をつかむには、物足りないと感じた人も多いだろう。
そこで、「ダブルイレブン」という巨大なキャンペーンの全体像をより深く知ってもらうため、『トレンドExpress』が現地の消費者から集めた情報を交えながら、来年以降のダブルイレブン参入に参考になりそうな情報をまとめてみたい。
余談だが、11月10日夜に中国で放送された「前夜祭」には、中国国内のトップアイドルのみならず、日本からは渡辺直美が、加えてミランダ・カーやマライア・キャリーといった国際的な有名人も出演するなど、かつてない盛り上がりを見せた。