世界的な消費財ブランド企業は長らく中国の消費者のとりこだった。今、各社が追い求めているのはインドの消費者だ。今年はインド絡みの合併・買収(M&A)の当たり年だ。同国に流入する外資マネーは今や中国への流入額を上回る。ディールロジックによると、外国企業によるインド資産買収が年初来380億ドル(約4兆3000億円)に達しているのに対し、中国資産買収は320億ドル。外国企業の対中M&Aは少なくとも2000年以来、対インドを上回っていたが、こうした長年の傾向が覆った格好だ。インド案件のほぼ半分は消費・小売り部門が対象だ。今週は、同国で大半の売り上げを得ている麦芽入り乳飲料ブランド「ホーリックス」の売却入札でユニリーバがネスレを制した。5月には、ウォルマートがインドのネット通販大手フリップカートの経営権を160億ドルで取得すると発表した。