12月9日は「障害者の日」。平成のあいだ、日本の公共交通におけるバリアフリーは大きく進歩した。しかし、いまだにタクシーや飛行機で障害者対応が十分ではなくて問題になったり、電車とホームの間の隙間や段差が車いす利用者の不便になっている。今の日本の交通バリアフリーに欠けているものは何だろうか?(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

「障害者の日」に考える
交通バリアフリーの進歩と限界

 本日12月9日は「障害者の日」であることをご存じだろうか。これは1975年12月9日に国連で「障害者は、その障害の原因、特質及び程度にかかわらず、同年齢の市民と同等の基本的権利を有する」という内容の「障害者の権利宣言」が採択されたことに由来する。

東京オリンピック・パラリンピックを契機に多くの車椅子利用者などが駅で列車を介助なしで単独で乗降可能とすることが望まれている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 平成はバリアフリー整備が大きく前進した時代であったことは間違いないだろう。1993年に障害者の自立と社会経済活動への参加促進を目的とする障害者基本法が制定され、公共交通機関にバリアフリー設備整備の努力義務が課されることになった。1994年に不特定多数の人が利用する公共性の高い施設のバリアフリー化を促すハートビル法、2000年に公共交通機関のバリアフリー化を義務付けた交通バリアフリー法が施行、2006年には2つの法律が統合したバリアフリー新法へと移行した。

 国土交通省では現在、1日平均の利用者数が3000以上の駅を、2020年までに全てバリアフリー化する目標を掲げている。対象となる3000以上の駅は、原則として出入口からホームまでエレベーターやスロープによる段差の解消や、ホームと車両の段差・隙間の縮小、多機能トイレの整備などが行われることになる。