ギリシャ問題に対する懸念が高まりを見せ、米国でも3月、4月の雇用統計が市場予想を下回り雇用回復が見られず、景気減速懸念が高まり、リスクオン(選好)からリスクオフ(回避)へと市場マインドが後退してきている。
3年連続でセル・イン・メイ(5月に売れ)を裏付けるように、株価は推移している。しかし、今後は、昨年、一昨年と異なる相場展開となる可能性が高いと考える。
上のグラフのS&P VIX指数で足元のリスクの高まりを見ると、上昇気味となってきているものの、過去の同時期と比べて5月売りを示唆するほど現時点では上昇していない。
米国の景気動向を見る上で、雇用統計と同等に重視されるISM製造業景況指数と株式市場の推移を比較しても、同様の傾向が見て取れる。
リーマンショック前は、堅調な株式相場が続いたことから市場予想が実績を上回る、つまり市場の期待値が高過ぎることが相場の上昇要因の一つになっていた。一方、リーマンショック以降の動きを見ると、景気回復に対して確信できないことなどもあり、市場予想に対して実績が上回っていることが、相場上昇の先行指標の要となっている。