入浴剤は日本人に適した
コミュニケーションツール

──手段として入浴剤の配布を選んだのは、どのような理由だったのでしょうか。

高橋 2つ目の理由になるのですが、バスクリン社内で立ち上げた「銭湯部」の活動から、入浴を通じた社員間の“コミュニケーション活性効果”に気づいたことがきっかけです。

「銭湯部」は、明治30年にバスクリンの前身、津村順天堂が発売した日本初の入浴剤「浴剤中将湯」が銭湯で使用されたことを受け、銭湯が自分たちの原点であるという有志の考えのもとに生まれた部活動です。高齢化や施設の老朽化の影響で銭湯が減少しつつある中、部活動として銭湯を利用し、銭湯に活気を取り戻してもらうことを目的にしています。

 この「銭湯部」を立ち上げたところ、20代や30代の若手から60代のベテランまで幅広い層の社員が活動に参加してくれたんです。そこで部署や年齢を越えた新たなコミュニケーションが生まれました。

──お風呂を通じて、社内の人間関係も変わったと。

高橋 そうですね。当社が実施した入浴回数の調査でも、国内の7割程度の人が週5回以上は入浴をしており、毎日入る人も半数以上いることが分かっています。こうしたお風呂好きな風土があることから、入浴剤は日本らしいコミュニケーションツールになり得るのではと考えたんです。

 例えば、職場で上司が日々頑張る部下に、栄養ドリンクを渡すシーンはよくありますよね。上司としてはいたわっているつもりでも、受け取る側としては「もっと頑張れってこと?」とネガティブに受け取られてしまうこともあります。これが入浴剤であれば、疲れを癒やす効能から、ストレートに「気遣ってもらっている」と感じます。今日は早く帰って体を休めようかなと。「オフィスきき湯」があることで、社内コミュニケーションそのものが柔らかくなると期待しています。