活躍する女医の存在は
医療安全の目安になる

「当科では、スタッフ12人中半数が女性でバックグラウンドにも多様性があります。救急医療といえばドクターカーやドクターヘリで現場に出て緊急手術をやって毎日当然のように忙しく、時に殺伐として働いている、でもカッコよくて素敵というステロタイプの捉え方がありますが、人生の7割以上は仕事以外であり、仕事以外の生活を大事にしてこそ良い医療ができる。断らない救急のためには医師以外の職種の考えが大事です」

 こう断言するのは、4年連続で「断らない救急日本一」と評価された神戸市立医療センター中央市民病院救命救急センターの有吉孝一センター長だ。激務のイメージが強い救急科だが、同センターでは「働き方改革」が進んでおり、その最たる例が女性医師の活躍なのである。

 無理がある働き方の改善をなおざりにしたまま、女性医師の排除に徹した東京医大とは真逆のやり方だ。実際、東京医大の件が明るみに出た際、有吉センター長は次のように語っていた。

「平成30年度の医師国家試験合格者の34%が女性です。うちのセンターは、女性医師の比率が高いのですが、それは女性医師を優先的に集めたのではなく、優秀な人を集めたら、自然と女性医師だったということです。

 今後は、病院が女性医師を活用することは、差別撤廃とか男女共同とかいうよりは、企業の成長戦略として行わねばならないと思います」

 さらに、同センターの主力メンバーであり、全国で14人、近畿地方には1人しかいない女性の救急指導医である柳井真知医師も、憤りを鎮めるように淡々と語った。