「なぜ、あの人はすぐに正解を導けるのか?」「なぜ、あの人は失敗をしないのか?」「なぜ、あの人はやりたいことを実現しているのか?」――とびぬけて頭のいい人は、「迷いのない判断基準」と「瞬時に対応する問題解決能力」を持っています。その2つの能力を普通の人でも使えるスキルとしてまとめた、新刊『MENSA、ISI、HELLIQに所属する天才のパターン思考 2時間で知能が高まる「思考の技術」』から、天才の思考法を紹介していきます。
「○○してはいけない」と言われ続けて、
無意識のうちに欲求を抑え込んでいる
何かを決断するとき、行動を起こすとき、私は、「自分の欲求に素直に従う」ようにしています。
私たちは、成長する過程で欲求を抑えつけることばかりを学ばされてきました。もちろん、「人のものを盗らない」など、社会生活を営むうえでのルールやしつけは必要ですが、「○○してはいけない」と言われ続けてきたせいで、解放してもかまわない欲求まで抑えつける癖がついているのではないでしょうか。
やりたいことがあったとき、多くの人は行動に移す前に躊躇してしまいます。私からすると、やれない理由を勝手に作り、本当は理由などないのに我慢しているようにも見えます。
もし、そこでやらなかったら、どうなるでしょうか。
たとえば、10年前に取ろうと思っていた資格や、始めようと思っていた趣味の習いごとがあったら、と想像してみてください。それはいつまでも「できなかったこと」として頭の片隅に残ってしまいます。そして10年後、「やっぱりやっておけばよかった」と後悔することになるのです。そのタイミングで、また何か理由をつけてやらなかったとしたら、その連鎖はずっと続いてしまいます。それは、大きなストレスといえるのではないでしょうか。
やりたいことがあるのなら、それをやらないのは、あまりにももったいないことです。
やってできないことはない
二の足を踏み続けていたら、いざというときに行動は起こせません。やる前は悩んだり迷ったりしていても、やってみたら意外にスムーズにできた、というケースもあります。やってできないことなど、実はほとんどないのです。
もちろん、失敗する可能性も否定できませんが、失敗から学ぶことも多くあります。私の場合は、むやみに失敗しないよう、リサーチに時間をかけてから行動に移すようにしています。
そして、やりたいことが複数重なったときも、どれかを諦めるのではなく、すべての欲求を満たすための手段を考えます。
たとえば、私ごとですが、友だちと会う約束をしていて、家を出る直前にギターが弾きたくなるときがあります。普通なら、ギターを弾くのは諦めて、約束を守るために家を出るでしょう。でも私はどちらの欲求も満たしたいので、とりあえず軽くギターを弾いてから家を出ます。待ち合わせ場所までは走っていく、あるいはタクシーに乗るなどして、時間内に到着するように工夫します。手段や過程はともかく、間に合えばいいわけですから、このようにすればどちらの欲求も満たせるのです。
「とりあえず10分前に着く」というような予定調和的な行動よりも、はるかに刺激があり、達成感があります。
過度なリスクを伴わない、人に迷惑をかけない内容なら、やりたいと思った時点でとりあえず行動に移してみましょう。
新たに語学を習得したければ、まず教材を買ってしまう。ストレスがたまっていて飲みに行きたい気分だったら、その日のうちに誰かに声をかける、というように。
「やりたいことは我慢しない」を基本スタンスにすると、人生はどんどん楽しくなっていくはずです。
まとめ
凡人→何かと理由をつけて欲求を抑えつける
天才→やりたいことは我慢せずにやる
メリット→欲求をため込まないことで生活の質が上がる