中国農業ドローン大手XAGが、農薬・種子の世界最大手、独バイエルと業務提携を行った。バイエルはドローンで撮影した畑の画像を人工知能(AI)で解析し、必要な個所にだけ農薬を撒く技術で、農薬という「製品」そのものではなく、効率的に農産物を生産するための「効果」を提供するビジネスモデルに転換を図る。XAGのジャスティン・ゴン共同創業者兼副社長に、データを活用する未来の農業について聞いた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)

h
ジャスティン・ゴン/中国杭州生まれ。仏パリ第9パリ・ドフィーヌ大学、中国清華大学で博士号取得。映画プロデューサーを経て、2014年に中国でXAG(旧XAIRCRAFT)を創業。マーケティングなどを担当。 photo by Hirobumi Senbongi

――なぜ農業ドローンの需要が拡大するのですか。

 世界人口の増大にともなって伸びる食料需要を満たすため、大量の化学製品が散布されています。

 これまで農薬散布にはトラクターや航空機が使われてきましたが、土壌を圧縮してしまったり、不必要な場所に撒いてしまったりと環境に悪影響が出ていました。

 AIを活用する農業ドローンは作物を個別に管理でき、雑草が生えている箇所など必要な部分にだけに薬品を撒くことができます。当社試験では農薬を35%節約できました。

――農薬使用量を減らすプロジェクトの提携先が、世界最大の農薬メーカーであるバイエルです。バイエルは農薬使用量を減らすことに同意したのでしょうか。

 農薬を減らし、コストを下げるというビジョンを共有できるパートナーを探すため、多くの化学メーカーと協議しました。

 バイエルは、農薬をただ大量に売るビジネスではなく、農家に提供する「価値」を高めることに注力しようとしていました。こうした価値観を共有できたので、日本を含めグローバルに提携することにしました。