土曜の夕方にもかかわらず、買い物客はまばらなカルフール Photo by Konatsu Himeda

 11月の上旬、筆者は早速このカルフール古北店に足を運んでみた。うわさに違わず、かつての栄華からは想像もつかない状態だった。土曜の夕方にもかかわらず買い物客の姿はほとんどない。もちろん、これはフーマーのせいだけではない。最近は「デリバリー」を提供するサービス業者が増えており、実体店の行列に並ばずとも買い物ができるようになったことも影響している。

 それにしても、往時のにぎわいを知る者からすれば、カルフールの凋落は激しすぎる。田中さんは次のように語っている。

「このまま行けば、カルフールは早晩店を閉じるかもしれんな。その後は、古北新区はフーマーの独壇場になる。いや、もっと言えば、ネット取引と金の流れを押さえたのがアリババなら、リアル店舗での商売もアリババが制覇する。それがアリババが狙う“流通革命”とちゃうか」

アリババのお膝元で
閑古鳥鳴くリアル店舗

 アリババグループ創業者で現会長のマー氏は、浙江省杭州市の出身だ。そのジャック・マー氏のお膝元である杭州市まで足を延ばしてみた。伝統的建築物を残す市内の観光地は世界的にも有名だ。その観光地は撮影の楽しみこそあったものの、残念ながら「買い物の楽しみ」は欠落していた。

 観光用に保存された古い町並みでは、ご当地特産の菓子、工芸品、シルクのスカーフなどの店舗が繰り返し現れるが、よく見ればほとんどがチェーン店だ。店構えこそ個性的だが、売られている“中身”も“売り方”も「飽食の時代」に入った中国の消費者を動かすものではない。