「積立投資なら下がっても安心」は本当?
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 長期で積立投資を行う制度である個人型確定拠出年金がiDeCoにリニューアルされ、2017年からほぼすべての働く世代が加入できるようになりました。また2018年からは「つみたてNISA」も始まり、積立投資の重要性に訴求するコラムや記事が数多く見られるようになってきました。その中でよくメリットとして主張されるのが、「積立投資ならば投資対象の価格が下がってもそのときにたくさん購入できるから、むしろ下落時をチャンスと思え」というメッセージです。

 これは投資に対して警戒心を持っている初心者にとっては、非常に魅力的なメッセージで、「だったら、始めようかな」と考える人もいると思います。でもこのメッセージは本当に正しいのでしょうか?

 確かにこのメッセージは、まだ投資をしていない人、または投資を始めたばかりの人には当てはまると思います。つまり、これから資産形成を始める若者にとっては正しく、ぜひ積立で投資を始めていただきたいと私も思っています。では、積立投資をすでに始めていて相応の資産が積み上がっている人にとってはどうなのでしょうか?

 積立投資が広まりつつある今、そのような人も増えていると思いますので、今回はこの点を掘り下げます。

すでに積立投資を始めている人は市場下落の影響を受ける

 この影響を確認するために、簡単なシミュレーションを行ってみました。ここでは、ある投資信託に投資し、その基準価額が当初1万円だったものが、その後10年間で5000円まで下がり、その後の10年間で8000円まで戻ったとします。このような前提条件で、Aさんという若者がこれから20年にわたって毎月1万円ずつ積立投資をしたとすると、20年後には基準価額が8000円まで20%も下がっていても、残高は281万円となり、逆に20%程度増えていることになります(投資元本は1万円×20年=240万円)。これは、下がった際に安くたくさん購入できたからであり、平均購入単価が下がった結果、価格が少し回復しただけでプラスになったのです。まさに積立投資の効果を端的に表すケースといえるでしょう。