当連載でも取り上げたのでご存知の方も多いと思いますが、2018年1月からつみたてNISA(少額投資非課税制度の略称、以下同様)が始まります。10月から事前受付も始まりましたので、金融業界では急速に盛り上がりを見せてきています。

 でも、もしかしたら盛り上がっているのは金融庁と金融業界だけなのではないか、そんな不安も感じます。なぜなら、今年、2017年初頭にはiDeCo(個人型確定拠出年金の略称、以下同様)がリニューアルされましたし、その3年前の2014年には一般NISAも始まりました。非課税で投資をお得に始めやすくなる制度ができるのはもちろん良いことですが、若干乱立気味であり、制度間の横比較の難しさから、始めようと思っても投資を始められない人がいると思われるからです。せっかく個人にとってお得な制度をつくっても、十分に活用されなかったら、目も当てられません。

 このような状況に陥らないために、これまで当連載でも各制度の仕組みを説明し、オヤジの皆様の理解が進むようにサポートしてきました。最近ではマネー誌や新聞でもつみたてNISAやiDeCo等について数多く取り上げられるようになりました。ただ、逆に最近は情報過剰気味であり、読むのが面倒臭くなっている人も多いでしょう。

 そこで、今回は一般的な情報ではなく、オヤジ目線でどのようにこれらの三つの制度を使い分けるべきなのかを考えてみたいと思います。なお、今回は50歳のオヤジ、60歳のオヤジの2世代について見ていくことにします。

50代のオヤジたちへ

 今、50代になったばかりのオヤジたちは、60歳の定年退職まで長くても10年程度の期間しかありませんが、本人が希望すれば、定年退職後、給料水準はかなり下がるものの65歳までは継続して働き続けることができる、そんな状況が一般的でしょう。プライベート面を見ると、子供がまだ高校生や大学生なので当面は学費が必要になるし、住宅ローンもまだ残っており、お金の悩みが尽きない時期だと思います。このような状況にいるオヤジたちは、今、何をすべきなのでしょうか?