ペットボトルPhoto:PIXTA

【エビアン・レ・バン(フランス)】炭酸飲料を抜いて米国で最も消費量が多い飲み物となったプラスチックボトル入りの飲料水が今、危機に直面している。

 使い捨てプラスチックに対する消費者の反発や政府の新規制、動物園やデパートなどでの販売禁止を受けて、ペットボトル入り飲料水の主要メーカーが代替容器探しに奔走している。

 エビアンは今年、2025年までに全てのペットボトルを再生プラスチック製にすると発表した。現在は再生プラスチック製ボトルの割合は3割で、業界の中でも相当思い切った目標だ。親会社ダノンの幹部は再生プラスチックへの切り替えで市場シェアを回復し、ストローなどのメーカーを圧迫する反プラスチック派の支持を得たい考えだ。

 しかし、大きな問題がある。業界は長年、より優れたボトルの開発に何度も取り組んでいるが、いずれも失敗に終わっているのだ。現在のリサイクル技術で新しい飲料水用のボトルを作るには、汚れのない透明なプラスチックが必要だ。しかし飲料水メーカーによると、ボトルのリサイクル率が低く、インフラも整備されていないため、再生プラスチック製ボトルの供給は制限されている。 

 こうしたなか、ダノンはある新技術に大きな期待を寄せている。汚れたカーペットや内容物の付着したチャップ容器などから取り出した古いプラスチックを飲料水用のボトルに適したプラスチックに変えるというものだ。

 ダノンで持続可能性に関する問題を担当するイゴール・ショベロ氏は「消費者が包装容器をめぐる現状を真剣に心配している」と話す。「これは懸念材料であると同時にチャンスでもある」

 水道水の安全性をめぐる不安や甘い飲料を避ける動きから、ボトル入り飲料水の売上高は過去数十年、大きく伸び続けている。コンサルティング会社ビバレッジ・マーケティングによると、2017年の米国のボトル入り飲料水の年間消費量は1人当たり約160リットルで、1994年の約3.8倍だった。