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企業が集めた顧客データは
顧客体験の向上にこそ使うべき

――ジェームズ・マクリディ アドビ 日本・アジア太平洋地域代表に聞く

ダイヤモンドIT&ビジネス
2018年12月20日
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――マーケティング関連のソフトウェアを提供する企業が数多く存在する中で、アドビは「フォトショップ」「イラストレーター」などのクリエイティブ製品と、デジタルマーケティング製品を両方持っている点がユニークです。

 確かにそうです。アドビではクリエイティブ分野の定番ツール群である「Creative Cloud」、デジタルマーケティング製品の「Experience Cloud」そしてアクロバットなどで知られる文書管理製品「Document Cloud」の3つのクラウド製品群を持つ、ほかにない企業です。それによってデザインやUIの最適化とマーケティング施策を連動させることが容易で、企業は最適な顧客体験を利用者に提供することができます。

AIでクリエーターを
「作業」から解放する

――AIの分野でも、「Adobe Sensei」(アドビ センセイ)という変わった名前の機能を製品に実装しています。どのように使われているのでしょうか。

 デジタルマーケティングの進化によって、顧客の好みに個別に対応するマーケティング施策を実施することが可能になりました。ところが、実際にメルマガの原稿を作ったり、バナーの画像を作ったりするのはこれまでは人手に頼らざるを得ませんでした。そのため、例えばクリエーターの方々は、日々膨大な画像の選定と加工に追われているのが現状です。

 Adobe Senseiは、ここにAIの力を使って最適な素材画像の選択や用途に応じた加工などを自動化する機能を実装します。バナーのバリエーションを作るといっても、人手では数個作るのでも大変ですが、Adobe Senseiを使えば瞬時に100個の画像を作り分けて、それを個別に配信することも可能になるのです。クリエーターやマーケターは「作業」から解放され、本当にクリエイティブな仕事に専念できるようになります。

――そのようなアドビの強みを企業に説明する際に、マクリディ社長が話をする相手は、企業のトップになりますか、それとも宣伝部やマーケティング部門の人でしょうか。

 あらゆる部門で、あらゆるレベルの人に説明していく必要があると思っています。先ほどのバナーの自動化などによって、デザイナーの「働き方」も変わってきます。マーケティングオートメーションによって、マーケターの仕事もレポート作成などから解放されるはずです。その分、顧客との接点を設計して、それを試しながら改善することができるようになります。

 ここで重要なのが、「何をすればいいのか」がわかっているかということ、つまりベストな顧客戦略の立案と実行です。自社の持っているデータや顧客接点をどう活用していけばいいのか、順序立てて設計していく必要があります。

 既存の企業ではデジタル分野の戦略立案についてノウハウを持っていないところも多いので、その場合はアドビがコンサルティングの段階から顧客企業に寄り添っていきます。

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