(これって「仕事の内容は自分にあっている」「働きがいのある仕事だ」とかで、「ちがう」を選ぶと、「エンゲージメントが低い」ってことになるのよね。で、「不安だ」「ゆううつだ」「よく眠れない」とかを、ことごとく「ほとんどいつもあった」と答えたら、「高ストレス群で、抑うつ傾向が強い」ってことになるんだよね。

 で、産業医面談を受けて、「問題あり」になったら、病院を受診するよう命令されたり、部署を変えられたり、休職を勧められたりするんだよね。ようするに「問題児」のレッテルを貼られるわけだ。そんなのいやだわ。これ、真っ正直に答える人っているのかしら)

 実際は、「問題あり」社員に対して会社が何をしてくれるかは会社の姿勢による。社員を大切にする会社なら、問題を解決するために、部署内の仕事の進め方を変えたり、職場の人間関係が改善する方策を実行する等、実効性の高い対応をしてくれるだろう。

 だが、孝枝さんは自分の会社が、社員を大切にする会社だとは思っていない。

 そこで適当に、あまり調子が良くない感じになるよう回答すると、追って「産業医面談」の通知が来た。個人情報として、非公開での通知だったが、部署内で探ってみると、5人いる同僚のうち4人に同じ通知が来ていた。彼・彼女たちも“適当に”答えていたとしても、やはり、あまり健康的な職場とはいえないのかもしれない。

夫の反応は「ひとごと」
コメンテーターのようだった

 後日、孝枝さんは産業医面談を受けた。

 真面目な顔をして「親の名前」など、くだらない質問をしてくる。

(私が、記憶障害だとでも思っているのかしら)

 ストレスチェックは、質問の意図が分かりやすすぎてうんざりしたが、産業医面談はもっと嫌な感じがした。職場から排除しようとされている気がして、さらにストレスが溜まる。

(こんなことなら、ほどほど元気な感じなるように回答しておけばよかった)

 後悔したが、結局今度は「軽いうつ病の疑いあり」ということで、メンタルクリニックを受診することになった。