水道コンセッション事業の
仕組みと問題点

 まず、水道コンセッションの事業の仕組みについて。

 上水道事業を行っている地方公共団体が、運営権実施契約(運営権契約、コンセッション契約)により契約の相手方である民間事業者に数十年の期間で運営権を設定、民間事業者側は運営権対価を支払い、水道施設運営等事業を行う、というのが基本的な構造である。

 事業の主な収入は当然のことながら水道料金であり、これを自己収入として、自らのリスクを取りながら事業、つまり水の供給・水道施設の維持管理・保守、場合によっては施設更新等を行うことになる。

 別の言い方をすれば、水道料金で人件費等のコストを賄い、収益を出す事業。したがって、それに見合った料金設定とするとともに、収益を減らしたり、ましてや赤字が出るといったことがないように、人件費も含めてコストを適正化することが重要となる。

 そして、まさにここが水道コンセッションの問題点なのだ。

 すなわち、通常の維持管理や保守コストが当初の予想以上にかかってしまった場合、あるいは自然災害が起きて水道管が破損したり、浄水場の機能に不具合が生じたりして想定外の多額の費用が必要となった場合。公的資金を入れないという前提に立てば、削減できるコストを削減するか、一時的なものも含め料金を引き上げることをしなければ、こうした不測の事態によって生じた赤字を解消させたり、収益性を安定させたりすることは極めて困難であろう。

 もちろん、不測の事態に備えて、過去の災害発生データも参照しつつ、必要と思われる額の積立金等を用意しておけば、対処できる場合もありうるだろう。しかし、最近の気象状況変化や自然災害の発生状況を踏まえれば、そうした想定が容易に覆される可能性は大いにある。

 つまり、杓子定規に考えれば事業者にとってもリスクが高く、軽々に参入できる事業ではないはずであるということである。

 しかし、それはあくまでも杓子定規に考えた場合の話である。