東大生の本の「使い方」写真はイメージです Photo:PIXTA

前回に続き、著書『東大生の本の「使い方」』を上梓した、元東大生協書籍部主任の重松理恵さんが、東大生の読書の実態を紹介していく。今回取り上げるのは、東大生があまり買わないタイプの本について。世間で話題のベストセラー書籍にあまり手を出さないというだけでなく、東大生が読みたがらない本の傾向には、ある法則性が見て取れる。

「もしドラ」と一緒に売れたのは…

 ここでは、東大生があまり買わない本の特徴を紹介します。

 特定の本を貶めるためではありません。東大生が興味を示さない理由を考えていくと、彼らの読書に対する姿勢が見えてくるので、いくつか紹介したいと思います。

 まず、東大生には、「二番煎じ本」はほとんど売れません。

 たとえば、2010年には、岩崎夏海さんの『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(ダイヤモンド社)が、非常に話題になりました。「もしドラ」という略称で親しまれ、アニメ化や映画化などもされた大ベストセラーです。

 この「もしドラ」ですが、東大生にも人気がありました。2010~16年度の小説部門のランキングでは、村上春樹に次ぐ歴代2位という結果になったほどでした。