誰でもできるけれど、誰もやっていない「年収1億円の習慣」。年収1億円以上の人の「習慣」には、ある「共通のルール」があります。でも、その「習慣(ルール)」を行うのに、特別な才能もいりませんし、最初にお金が必要になることもありません。誰でもできる「シンプルな習慣」を、あなたが身につけさえすれば、年収1億円は、実現可能なのです。
「グリーン車」や「ファーストクラス」に
乗ってはいけない
「移動時間のムダ」を自覚したとき、仕事の成果は、大きく変わります。「移動時間」は仕事をする時間です。「移動時間」に無頓着な人は、仕事の効率が悪い人です。
数年前の話ですが、新幹線に乗って名古屋駅に向かうとき、品川駅のホームで、以前お仕事をご一緒したデザイナーの藤原さん(仮名)をお見かけしました。インテリアデザインの世界で活躍する一流のデザイナーです。
私と藤原さんは、同じ時刻の新幹線に乗りました。藤原さんは「新大阪駅まで行く」とおっしゃっていたので、豊橋駅を過ぎたあたりで、「私は名古屋で降ります。お先に失礼します」とご挨拶にうかがおうと席を立ちました。藤原さんが何号車にいるかわかりません。けれど、「おそらく、グリーン車を探せば見つかるだろう」と思っていました。
ところが、藤原さんは「一般車両(指定席)」にいて、熱心に仕事をしていたのです。藤原さんほどの実績を持つ人が「グリーン車に乗っていなかった」ことに違和感を覚え、その理由をうかがいました。
すると、藤原さんは、次のように答えてくださいました。
「私にとって新幹線は、第二の事務所みたいなものです。でも、グリーン車に乗ると、仕事がしにくいんです。どうしてかというと、静かすぎるから。とくに早朝のグリーン車は、寝ている人が多いですよね。パソコンを開くと、キーボードのタイピング音が車内に響いてしまって、まわりの人に気をつかいすぎてしまうのです。
仮に、グリーン車に乗ったほうが一般車両に乗るよりも早く到着するのであれば、私もグリーン車に乗るでしょう。早く着けば、それだけ現地で仕事ができますからね。けれど、グリーン車でも、一般車両でも、到着時刻は変わりません。だとすれば、私にとって、グリーン車に価値はないのです」
私は、自分の至らなさを痛感しました。なぜなら、それまでの私は、「グリーン車に乗って、くつろいでいたから」です。
当時の私はグリーン車にステータスや優越感を覚え、ただ、見栄を張りたかっただけでした。
じつはこの当時、私の年収は「1億円」から「5000万円」まで落ちていた時期でした。店舗の売上が伸び悩んでいたのです。
藤原さんの話をうかがって、すぐさま、名古屋からの帰りの新幹線から、私はグリーン車に乗るのをやめました。すると、その後、次第に、店舗の売上も、私の年収も、少しずつ回復していったのです。
回復した理由は、「2つ」あると思います。ひとつは、一般車両に乗って、移動中も仕事をはじめたこと。その「姿勢の差」によって、「いろいろな生産性が上がったこと」です。
もうひとつは、「お客様視点」で発想できるようになったことです。グリーン車に乗っていたときの私は、「自分はほかの人とは違う」と思い上がり、謙虚さを忘れ、高慢になっていました。だから、お客様を真剣に見れていなかったのだと思います。
グリーン車をやめたとたん、「現場感覚」が戻ってきて、社員にも、「お客様視点」で指示を出せるようになったのです。
私は今、基本的には、グリーン車に乗ることも、超高級ホテルに宿泊することも、ファーストクラスやビジネスクラスに乗ることもありません。「お金と時間の使い方に謙虚さがなくなると失敗する」ことを痛感したからです。