箱根駅伝
昨年の箱根駅伝復路9区の様子 写真:田村翔/アフロスポーツ

箱根ランナーの原石は
そもそも地方にいる

 学生スポーツの華、箱根駅伝は関東学生陸上競技連盟が主催している大会だ。「関東大会」にすぎないわけだが、その人気は「全国大会」である全日本大学駅伝を凌駕している。そのため、ファンや関係者から度々、“全国化待望論”が挙がっていた。昨年11月には日刊スポーツが、「第100回の記念大会となる2024年1月の箱根駅伝で全国化を検討している」と報じたこともあり、一部で大きな話題となった。

 箱根駅伝の「全国化」は、地方大学にとって”夢への扉”になるのか。それとも日本長距離界においての“パンドラの箱”なのか。

 まずは全国化されたときのシミュレーションをしてみよう。箱根駅伝は関東の大学しか出場できないが、その舞台を目指す選手は全国から集まっている。今大会(第95回)の登録選手を出身高校による都道府県別で見てみると、千葉県が最多の37名。以下、静岡21名、兵庫19名、埼玉18名、愛知17名、熊本17名と続いている(※データは『箱根駅伝公式ガイドブック2019』を参照)。

 もし地元近隣の有力選手を一気に集めることができれば、東海、関西、九州などは青学大や東海大に匹敵するような強力チームができあがっても不思議はない。たとえば、知名度抜群の青学大・原晋監督が故郷・広島の大学で指揮を執るようになれば、広島には世羅、隣の岡山には倉敷という近年の全国高校駅伝で優勝している超強豪校もあり、おもしろいチームができるだろう。

 既存の大学でいうと、福岡大、中京大、関西大など、かつての“雄”が「箱根駅伝」という魔力で復活を果たす可能性もある。地方大学の活性化という意味では、大いに役立つはずだ。そして地方が沸くことで箱根駅伝の全国的な人気はさらに高まると予想する。