30年続いた「平成」も間もなく終わる。この間、さまざまな殺人事件が発生し、多くは検挙されてきたが、未解決となっている事件も残っている。世田谷一家殺害事件、スーパーナンペイ事件、柴又上智大生殺人事件などは、いずれもご記憶だろう。殺人罪の公訴時効は2010年4月に撤廃され、対象の1995年4月以降に発生し、うち未解決事件は約400件に上る。平成の有名な未解決殺人事件を振り返ってみる。(事件ジャーナリスト 戸田一法)
年の瀬に一家4人惨殺
2000年12月31日午前、東京都世田谷区上祖師谷3丁目の宮沢みきおさん(当時44)宅で、宮沢さんと妻泰子さん(同41)、長女にいなちゃん(同8)、長男礼ちゃん(同6)が殺害されているのが見つかった。
年の瀬の大みそかに発覚し、子どもも容赦なくめった刺しにした上、死後も執ように何度も刺すなど残忍な犯行。さらには犯行後も長時間にわたり現場に居残り、アイスクリームやメロン、麦茶を飲食していた異常性も注目され、今でも年末には慰霊や情報提供を呼び掛ける報道が続いている。
犯人は宮沢さん宅の裏側にある2階浴室の窓、もしくは玄関から侵入したとみられる。被害者の胃の内容物から、犯行時刻は30日午後11時半ごろで、2階で就寝中の礼ちゃんを最初に殺害し、次いで異変に気付き2階に上がってきたみきおさんを殺害。最後に3階で寝ていた泰子さんとにいなちゃんを襲ったとみられている。
現場には犯人が食べたアイスクリームのカップ、着ていたトレーナー、ヒップバッグなど多くの遺留品が残されていたほか、指紋や足跡(韓国製でサイズは27.5の靴の痕)、血痕からはDNA型が検出された。
警視庁が公開している犯人の特徴は、男性で血液型はA型。右利きの可能性が高く、非喫煙者。年齢は所持品などから事件当時15~20代で、身長は170センチ前後、ウエスト70~75センチのやせ型とみられる。