樋田淳也容疑者が現行犯逮捕された道の駅「ソレーネ周南」
樋田淳也容疑者は、道の駅「ソレーネ周南」で食料品を万引しようとして警備員に現行犯逮捕された Photo:PIXTA

大阪府警富田林署から逃走していた樋田淳也容疑者(30)=加重逃走容疑で逮捕=が9月29日、ようやく身柄を確保された。逮捕から10日が経過し、盗んだ自転車で49日間・1000キロ超に及んだ足取りが明らかになってきた。高知県警の警察官に職務質問されたり、愛媛県庁を2度も訪れたり、自転車旅行中の男(44)と行動を共にしたり、住民から食事の提供を受けたり…。各地で撮影などにも嫌がるそぶりを見せず堂々と応じており、逃亡者が日常に溶け込んでしまうと意外に気付かれにくいことが浮き彫りになった。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

「日本一周中」掲げ自転車旅行

 樋田容疑者は8月12日午後8時ごろ、富田林署の接見室で弁護士と面会後、アクリル製の隔離板を蹴破って逃走。その後、赤い自転車に乗る似た男が防犯カメラに写り、さらに黒い原付バイクが盗まれた。

 13日になって府警は指名手配したが、14日にかけて黒いバイクに乗った人物によるひったくり事件が相次いで発生。顔写真のほか、動画や8パターンの似顔絵、左ふくらはぎにあるウサギの入れ墨などの情報を公開したが、ひったくりは14日以降ピタリとやみ、動きは途絶えてしまった。

 全国紙社会部デスクによると、その後、樋田容疑者は大阪市羽曳野市で盗まれた白いスポーツタイプの自転車で“旅”に出る。

 数日後、淡路島に移動し島内を一周。逃走11日目の23日、広島県尾道市から離島を結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」を通って四国入りした。複数の防犯カメラに、自転車で四国方面に向かう樋田容疑者の姿が記録されていた。

 24日には愛媛県庁の自転車新文化推進課を訪問。「お薦めのルートはありますか」と尋ねて地図をもらい、さらに職員に要請して「日本一周中」と印刷したプレートを作ってもらっていた。同日、道の駅「風早の郷 風和里(かざはやのさと ふわり)」に立ち寄り、さらに自転車ショップでは「仕事を辞めて日本一周している。淡路島を一周し、これから四国を一周する」と話し、多くの荷物が積めるよう荷台設置を依頼したという。