そもそも社員が自分の人脈に声をかけて連れてくるのは「この会社を伸ばすにはこういう人材が必要だから」、あるいは「あなたにはぜひ当社に入社して、一緒に会社を伸ばしてほしい」といった愛社精神に基づく行動なので、会社としては非常にありがたいものです。コストもかかりません。

 一方、採用される側にとってはいくつか落とし穴があります。その最たるものは友人からの紹介という安心感から大事な事項を確認せず、あるいは知人であるが故に条件を確認しにくいため、詳細を詰めずにそのまま入社したら「話が違った」というケースです。

 特にお金の話は友人同士ではしにくいので、年収の話は後回しになることがあります。実際にあったケースでは、候補者が「現在の年収は1000万円」と伝えたところ、相手からは「ではうちもそのくらいで」との返答で、あいまいな口約束のまま入社したところ1000万円にはほど遠い給与しか支払われなかったことがありました。

 ただし、このような口約束だけで入社するケースは最近では考えにくくなっています。職業安定所(職安)の指導が厳しくなったからです。それでも細かい条件面などで「友人だから聞きにくい」ことは残るので、事前にきちんと自分の知りたいことを確認しましょう。転職プロセスがある程度まで進めば人事が出てくるはずですが、出てこない場合はつないでもらって条件を詰め、必ず労働条件通知書をもらうことが大切です。

誘ってくれた知人が
入社早々に退職するケースも

 リファラル採用で入社前にきちんと話を詰めて、労働条件通知書をもらっても、入社後に困った事態を迎えることがあります。それは紹介してくれた友人、知人が入社間もない時期に退職してしまうケースです。

 最近あったのは、前職の上司に引っ張られて転職したのに、その上司が2ヵ月後に退職してしまったケースです。「その上司とはどういう人ですか」と尋ねたところ、「良い人なんですが以前からそういう軽いところがあって、私が入社した時点では辞める気はなく悪気はなかったようですが……」とのことでした。